公開日:2022.11.02
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顧客体験をマネジメントする「CXM」について考える

顧客体験をマネジメントする「CXM」について考える

多種多様な商品、サービスが誕生し続ける昨今、自社の商品やサービスを選んでいただける状態を作るため、近年では「顧客体験マネジメント(以下、CXM)」に注目が集まっています。

本記事では、顧客に選ばれる商品、サービスを作り続けるために、CXMという考え方がどこまで有効かについて考えていきたいと思います。

デジタルの力で顧客体験価値を最大化させる新概念「CXM」

近年、「顧客体験(以下、CX)」の概念を取り入れてマーケティングを行う企業が増えてきました。マーケティングを専門としている企業以外でも、CXというキーワードは一般的になってきています。機能・価格だけで差別化を図ることが難しい時代のなか、「顧客の感情を動かすような体験を提供する」ことに注力する企業が増えています。

関連して、近年注目を集めている概念がCXMです。CXMとは、CXの全体像を捉え、その価値を最大化するためのマネジメントを指します。「商品・サービスを選び、購入し、実際に利用する」という一連のプロセスにてきめ細やかにCXを設計することで、顧客と企業の関係性を育むことができます。顧客の満足度を高めることができれば、結果として自社の収益にもつながるでしょう。

一方で、収益を最大化するために「効率化を図る」こともCXMでは必要です。

では、企業視点と顧客の体験のバランスがとれた、本当の意味でのCXMを実現するにはどういったポイントが必要になってくるでしょうか。

CXMに取り組む上での一般的な4つのポイント

KPIの設定

最初のポイントは、KPIの設定に関するものです。

CXMを導入する目的は顧客のロイヤルティを高め、最終的に収益を最大化することです。しかし、収益をKPIと置くと「果たしてCXMの導入が収益に寄与したのか?」がわかりにくいことも事実。そこで、顧客ロイヤルティを可視化する方法としてネットプロモータースコア(以下、NPS)を用いることが有効です。

NPSは、アンケートなどを用いてユーザーに「該当の商品・サービスを他者に勧める可能性はあるか?」を問うことで計測できます。10段階の回答結果を集計することで、「ユーザーが企業やプロダクトにどれだけ愛着を持っているか?」を測るといった具合です。NPSスコアは業績との結びつきが強いことから、近年多くの企業で導入が進んでいます。

顧客理解と体験プロセスの整理

KPIを設定した次の段階では、現在の顧客の状態を知り、情報を整理していきます。

CXを向上させるためには、まずは現状把握が欠かせません。「ページ閲覧履歴」や「購入履歴」だけでなく、「性別」「居住地」「役職」といった属性情報も合わせて把握しましょう。顧客の情報は多岐にわたるため、情報の収集・整理と統合が必要になります。

このときに注意すべき点は、顧客のセグメントです。例えば、「性別」や「役職」など、顧客のセグメントによって回答の傾向が異なるケースがあるはず。そのため、セグメント情報も加味した上で、ペルソナを策定していきます。

続いて、策定したペルソナを元に、一連の顧客体験を可視化したカスタマージャーニーマップを作成します。この時、セグメントごとに異なるカスタマージャーニーマップができる事もあるでしょう。ここでは顧客のフェーズごとの「興味」や「価値を感じるポイント」を可視化し、セグメントごとの差異を踏まえたCXの設計を行うことで、顧客ロイヤルティの向上につなげることが可能になります。

提供する体験の「パーソナライズ」

企業から提供される体験に唯一の正解はありません。顧客のその時の状態やタイミングによっても受け方が変わってくるからです。そのため、顧客ごとに適したタイミングや内容でパーソナライズすることが重要になってきます。

特に、その顧客に対して「どのチャネルで、いつ、接点を持つことが最善なのか?」も検討する必要があるでしょう。

継続改善を繰り返す

CXMは「設計して終わり」ではありません。継続的にCXを向上させるために、絶え間ない検証と改善が求められます。

たとえば、NPSスコアの推移を定期的にチェックすることで、CXM戦略の効果検証が可能です。あるいは「インタビューを通して定性的なフィードバックを得る」ことも有効でしょう。アンケートで収集した統計データも重要ですが、定性的な情報からしか得られない気付きもあります。常に顧客のデータをアップデートしCXMに取り入れることで、継続的な改善が期待できます。

CXMの考え方を取り入れて、いかに顧客体験を向上させるか

上記では、一般的なCXMのポイントを4つあげてみました。

今回はそこから先一歩踏み込んだ形で、どんなことができるのか、を検討してみたいと思います。

KPIを設計して、顧客の声を聞いて数値化し、セグメント毎にペルソナ設計して、パーソナライズな体験を提供し、継続改善を繰り返す。

その前提として、「自社のユーザー像をイメージすることができているか」が重要です。

NPSでの数値を定点観測することは非常に重要ですが、それらを意味のある、温度感のある情報として認識できているかということのほうが、さらに重要ではないでしょうか。

セグメント情報やペルソナも同じことが言えるでしょう。目の前にある数字やデータ、情報を元に、実際のユーザー像やその情報の裏にある、ユーザーの感情の変化や起伏(実際にはあまり意識せず無意識下で行なっている行動もあるかもしれません)を、想像できているか。

そのためには、実際の店舗でのユーザーとのコミュニケーションや接客、現場からのヒアリングなど、デジタルで完結しない情報を補完しなければ、そういった視点を持つことは難しくなってきているのかもしれません。

ユーザー視点を持ちつつビジネス課題を解決するアプリ開発のために

株式会社ゆめみでは、実際のアプリ企画やご提案を行う際には、実際に顧客企業のサービスを体験することで、より良いユーザー体験を提供することを重要視しています。

顧客企業からのビジネス課題やリクエスト、RFPといった情報ももちろん重視しています。加えて、ユーザー視点で見たときにどうか、といった意見も出しながら、より良いアプリ、サービスを共に作っていくことを大事に考えています。 長くユーザーからの支持を得るためのアプリ開発・サービス開発を検討されている企業様は、ぜひお気軽にお声がけください。