公開日:2024.03.12
Share Twitter Facebook LINE URL Copy Copied!

信用のデジタル化:科学技術による決済体験の進歩

信用のデジタル化:科学技術による決済体験の進歩

新型コロナウイルスが猛威を振るった、with COVID-19の時代に、私たちの生活は未曾有の変化を経験しました。外出や外食が制限され、マスクが日常のアイテムとなり、オフィスでの労働もオンラインへと移行しました。この変化の中で特に注目すべきは、お金や支払い方法に対する私たちの態度の変容です。支払いの場面での現金の使用が減少し、QRコード決済やクレジットカード決済が急速に主流となってきました。

しかし、今、私たちはafter COVID-19の段階に移行しつつあります。外出制限が緩和され、街の飲食店も再び賑わいを取り戻し始めています。多くの人がマスクをせずに外出するようになりました。一方で、働き方はハイブリットスタイルが主流となり、ネットスーパーの利用も増え続けています。この新しい日常の中で、科学技術の進歩が、支払い体験や信用体系にどのような影響を与えるのでしょうか。本記事では、その変化と可能性について探っていきます。


従来の取引では、対面接客時の身なりや振る舞いは、お客様からの信頼を得るための重要な要素でした。 また、カード会社や銀行などの金融機関は、その信頼を担保するための中心的役割を果たしてきました。 このシステムは、物理的なプレゼンスや人間の対人関係が中心のもので、特に大きな取引や新しい取引関係の際には、身なりや口コミ、接客態度、金融機関の評価が極めて重要でした。


近年のテクノロジーの発展により、上記のような従来の信用体系が根底から変わりつつあります。 特に、ブロックチェーン技術や生体認証技術の導入により、物理的なプレゼンスや対面接客の場における身なりや振る舞いといった従来の信用の要素が不要となる支払い体験が実現されています。

例えば、ブロックチェーン技術を活用した取引では、取引のすべての履歴が公開され、改ざんが不可能な状態で保存されます。このため、双方の信頼性が確保されるのです。また、生体認証技術を用いれば、顔や指紋、網膜などのユニークな情報を基にして、その人が確かにその人であることを確認することができ、従来のIDやパスワードを超えた高いセキュリティを実現できます。

今後は技術によって取引の透明性が増していきます。従来の身なりや振る舞いに基づく信用体系から、デジタル技術に基づく新しい信用体系へと移行しつつあるのです。

ウォークスルー決済の可能性

昔の決済方法は物理的なメディア、例えば紙幣や硬貨、クレジットカードに依存していました。しかし、テクノロジーの進歩により、これらのハードウェアは不要となり、ウォークスルー決済、つまり、物理的なアイテムを用いずに、シームレスに支払いを完了できる方法が実現されつつあります。 静脈認証で決済を可能にした東武ストアでの実験導入や、スマートフォンのアプリをかざすだけの「CATCH&GO」などがその例として挙げられるでしょう。

参考記事: 

指の静脈認証で決済、ポイント付与、年齢確認も 日立と東武が開発:朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/articles/ASR8Y6307R8YULFA01S.html

ダイエーが運営するイオンフードスタイル横浜西口店内にウォークスルー店舗「CATCH&GO」をオープン | NTTデータグループ – NTT DATA GROUP

https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2023/092600/



上記のような新しい決済方法は、特にブロックチェーン技術の導入により、取引の透明性が高まっています。これにより、消費者は取引の詳細を確認でき、より安心して取引を行うことができます。

信頼と透明性の融合

テクノロジーの進化とともに、取引の透明性と信頼性が高まり、これまでの不安や疑念が軽減されるようになりました。例えば、ブロックチェーン技術により、取引履歴が全て公開され、改ざんが不可能であるため、偽物や不正取引のリスクが大幅に減少しています。例えば下記記事にあるDIDsを活用すると、これまで個人の経歴や資格を照会するための膨大な時間が、暗号技術に基づいたデジタル証明書によってごくごく短い時間で済むようになります。

参考記事:

個人がIDを管理する時代。「DIDs(分散型識別子)」とは?VCやSSIとの関連性まで | SELECK [セレック]

こういった技術の進化により、従来の支払いや取引の手間がなくなります。その時間を他の価値ある活動に使うことができるのです。


Web2.0では人とテクノロジーの融合で信用を担保してきたといってよいでしょう。これまで、対面接客による身なりや振る舞いの信用に加え、支払い責任があるかどうかをカード会社や銀行が信用を担保していたのです。

このように私たちが利用してきたWeb2.0は、インターネットを通じ、より相互作用のある利用者体験を提供してきました。Web2.0の時代では、人とテクノロジーの融合が主要な特徴です。ソーシャルメディアやコンテンツ共有、オンラインでのコラボレーションツールが登場しました。それまでの一方的な情報伝達から、双方向のコミュニケーションへと変革したのです。このなかで、信用もまたユーザーレビューや評価、フィードバックを基に確立されるようになりました。

しかし、テクノロジーはとどまることなく進化しています。ブロックチェーン、生体認証、センサー技術などの新しい技術の登場により、Web2.0が提供した信用体系をさらに進化させることが可能となっています。特にブロックチェーンは取引の透明性と不変性を保証することで、新たな信頼の形を生み出しています。

今後は、ハードウェアを必要としないウォークスルー決済が実現可能な時代となります。Web3の時代では、リアルとデジタルがさらに融合し、便利になっていくだけでなく、信用はより透明性を増していくでしょう。売買取引における不要な心配が軽減され、新しい時間の使い方が生まれていくことに、これからも着目していきたいですね。