公開日:2020.04.21
Share Twitter Facebook LINE URL Copy Copied!

【実例で見る】ロイヤル顧客を生むO2Oのシームレス体験実践

【実例で見る】ロイヤル顧客を生むO2Oのシームレス体験実践

Webサイトやアプリから実店舗への誘導を行い、売上やLTVの最大化を目指す手法「O2O(Online to Offline)」。
顧客ロイヤルティの重要性が高まる今、リアル店舗とオンラインをシームレスに繋いで顧客体験を向上させる意味で、O2Oは欠かせないとして位置付けられています。

昨今では、リアル店舗とオンラインをそれぞれ別のものと考えず、ユーザーにとって、そのときどきで一番自然な形で個客体験を提供する、OMO(Online Marged Offline)といった考え方も出てきており、これからのマーケティング戦略を考える上では、そういった視点も非常に重要です。

とはいえ、リアル店舗を持つ企業にとってO2Oという考え方はその一歩手前にあるものでもあり、最低限クリアしておかなければならない施策といえるでしょう。その施策を実践するためには、どのような視点が必要なのでしょうか。今回は、業界をリードする企業の事例を交えて、O2Oの具体策についてご紹介します。

ロイヤルティを下げる「リアルとデジタルの壁」

少子高齢化が進み購買力のある働き盛りの世代が比率として少なくなる一方の日本国内において、「顧客と継続的な関係性を築くこと」は重要な意味を持ちます。新規顧客の開拓に限界があるからこそ、既存顧客に自社のファンになってもらい、商品サービスを購入し続けてもらうことが、事業を発展させ続けるためのキーファクターになるからです。

そして、顧客と継続的な関係性を築く上で欠かせない観点が「顧客ロイヤルティ」です。その解釈は様々ですが、一般的には企業やブランドへの「信頼」や「愛着」を指すことが多いといえるでしょう。

では、顧客ロイヤルティが向上するのは、どんな時でしょうか。もちろんその答えは、顧客に提供する商品やサービス形態により様々です。しかし、「優れた顧客体験がもたらされた時」という点は、業界問わず共通しているはずです。例えば、顧客が何度も利用している店舗に入店し、ある時そこで記憶に残るような特別な優待サービスを受けたならば、「また次回も来店しよう」という気持ちが高まるはずです。

一方で、顧客ロイヤルティの低下を招くケースは、どのようなものでしょうか。その一例として、顧客がリアルとデジタルの間を行き来する際に生じる「顧客体験の分断」が挙げられます。例えば、実店舗とECサイトの情報がバラバラに管理されており、オンラインで貯めたポイントが実店舗ではまったく使えなかったり、オンラインですでに顧客情報登録をしているにも関わらず、店舗でもう一度、記入を求められて手間がかかったり、といった具合です。

そのほか、オンラインショップでは在庫があるのに、実店舗にない場合に、取寄せ対応ができない、といったことも、ユーザーから見た時に、顧客ロイヤリティを低下させる要因になるでしょう。

企業側からした場合、在庫管理やフルフィルメントにも関わってくるため、IT部門や事業部単位で解決できない場合もあるかもしれませんが、それらのハードルがあったとしても、そこはユーザーにとって何が最適か、と言う視点で自社のサービスを磨き上げることが大事ではないでしょうか。

このように、これまでの商慣習や、現場のオペレーションを変えない、といった自社の都合を最優先にした結果、リアルとデジタルの間に気づかぬうちに壁をつくりあげてしまっているケースは非常に多く、顧客ロイヤルティの低下を招く原因となっています。顧客と長期的な関係性を築きたいと考えるのであれば、このような「顧客が直面する壁」としっかり向き合う必要があるでしょう。

そして、そのような壁を取り払うために活用できるチャネルの一つが、顧客IDに紐づけたOne to Oneコミュニケーションが可能な、スマートフォンアプリではないでしょうか。

アプリ成功にはシームレスな顧客体験が重要

アプリを有効活用し、顧客ロイヤルティを向上させ続けるためには、どのような視点が必要なのでしょうか。継続的な顧客ロイヤルティ向上を目指す上では、「O2O」はもちろんのこと、ユーザー行動を包括的にデータで把握をし、最適な顧客体験を提供するためのOMOの視点が求められることは間違いありません。

O2Oに関して言うと、オンラインからオフラインへの顧客の誘導施策を意味します。例えば、アプリ上で新商品の紹介や割引サービスの提供を行ったり、GPS機能を活用したチェックイン特典を提供したり、といった具合です。このような施策をシームレスに実施することで、オンライン上では体験することのできなかった「優れた顧客体験」を実現することが最大の目的です。

顧客体験において、かならずしもアプリが必須である、ということではありません。実店舗、オンライン含めて顧客体験全体を眺めた時に、自社が提供できる価値はなんなのか、その中の接点としてアプリで何を提供すべきなのか、を突き詰めて考えることが重要です。決して同業他社が「ポイントアプリをやっているから」などといった理由で安易に似たようなアプリを作るような考えは持つべきではないと思います。

次々と便利で魅力的なサービスが登場するデジタル領域において、オンライン上だけに閉じた施策を実施するだけにとどまったり、逆にオフラインとオンラインを自社の縦割りの組織体そのままに、分断して捉えていたりするようでは、いずれは顧客を他社に奪われかねません。だからこそ、O2O、OMOの視点を持ってシームレスな顧客体験を実現することで、顧客が他社にスイッチすることがないような「高い顧客ロイヤルティ」を醸成する必要があるのです。

では、業界をリードする企業がどのような施策を実施しているのか、具体的に見てみましょう。

【ケンタッキーが実践】アプリでシームレスな顧客体験の実現

近年、飛躍的な業績回復を見せ、業界内外から注目されているのが「日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社」です。同社は、「ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ」を活用し、シームレスな顧客体験の提供を実現しています。

例えば、全国の店舗から集約した膨大な購入データに対し、翌日以降にチキンマイル(ポイント)を付与したり、ID連携によるカードレスなポイント付与を実現したり、といった形です。他にも、位置情報による近隣店舗の検索や、クーポンのお気に入り機能など、思い立った時にストレスなく店舗へと足を運ぶことができる工夫がなされています。

同社のアプリは1400万ダウンロードを超え、業績向上にも貢献したと評価されています。その要因の一つは、「チキンマイレージ」が増えるほど多くの特典が受けられる、という独自の体験価値にあるといっても過言ではないでしょう。単に「ポイントが貯まる」といった仕組みを提供するだけではなく、「顧客ロイヤルティ向上に繋げるための仕組み」としてアプリを活用している点が、他社との決定的な違いといえます。

ゆめみでは、上記でご紹介した日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社様を始めとして、多数のアプリ開発を手掛けています。単にアプリを開発するだけではなく、顧客企業のビジネス課題や戦略を踏まえて企画立案を行い、マーケティング戦略とIT戦略の双方を踏まえた開発・制作を実施できることが最大の特徴です。

経営戦略やビジネス方針に基づいたアプリ開発を実現し、顧客ロイヤルティの向上を目指したいとお考えの企業様は、ぜひ次の資料をご一読ください。