スマートフォンが普及して以降、アプリは消費者のライフスタイルの変化に合わせて進化してきました。そして今、その進化のスピードに対応すべく、アプリの開発手法もプロジェクトの特性に合わせて最適なものを選んでいく必要が出てきています。ユーザーのニーズをくみ取り、成長を続けるアプリを生み出すためには、どのような視点が必要なのでしょうか。今回は特に変化に比較的対応しやすい、「アジャイル開発」についてご紹介します。
目次
刻一刻と変わるユーザーニーズとアプリ市場……変化に対応するには?
私たちのビジネスや生活シーンにスマートフォンが浸透し続けるなか、ビジネス用途やヘルスケア用途、地図・ナビゲーションなど、その動きに対応して次々と新たなアプリが生まれています。
近年では、動画や音楽の定額配信アプリといった新たなサービスも爆発的に普及しています。また、小売店や金融機関といったリアル店舗を持つ企業も、消費者との接点を拡充すべく、アプリの企画開発に注力しています。
様々な企業がアプリの企画開発に力を入れていますが、ユーザーとの接点をうまく創出できている企業に当てはまる共通点があります。それは、「ユーザーに利用し続けてもらうために、継続的な改善を行っている」ということです。
アプリのローンチにより、一時的にユーザーを増やすことができても、その先の成長や発展が約束される時代ではありません。人々の価値観や行動が変化し続ける今、どの企業においても「継続的改善」は必要不可欠なのです。
では、こうした状況を踏まえると、アプリの企画や開発を行う企業は、どのような視点を持つ必要があるのでしょうか。ここで押さえておきたいのが、従来型の開発方式「ウォーターフォール」との相違点です。
従来型の開発手法(ウォーターフォール)では対応が遅くなることも
従来型のシステム開発手法として、「アジャイル開発」との比較で挙げられることも多いウォーターフォール型。これは上流工程から下流工程に向けて順々に進めていく開発スタイルを指します。そして、この方式ではプロジェクトの企画段階で開発の仕様やルールを決めたら ”原則としてその通りに” 作ることが一般的です。上流工程の段階で必要な品質を緻密に定義することから、開発する内容が事前に明確なプロジェクトを進める上では最適な手法といえるでしょう。
変化の乏しい分野であれば、この方式でも特段問題はありません。しかし、人々の価値観が変化・多様化し続ける現代においては、ウォーターフォールの開発スタイルではニーズへの対応が遅れがちになってしまう場合もあるのです。
そうした状況下で、注目される開発スタイルとなっているのが「アジャイル開発」です。
変化を続ける時代に対応する「アジャイル開発」
アジャイル開発とは
アジャイル(型)開発とは、機能ごとに小さいサイクルで開発を繰り返していく手法であるため、変化や気づきを反映しながら進行することが可能になる開発方式です。前述のウォーターフォール型が「各工程を段階的に完了させていく」ことに対して、アジャイル型では、開発途中でユーザーニーズや市場環境の変化があった場合に、仕様変更や追加対応にも比較的対応しやすい手法である点が特徴です。都度、変化する要望・フィードバックを柔軟に受けながら進めていく開発スタイルとも言い換えることができます。
ユーザーのニーズを「素早く柔軟に」反映できる
アジャイル型の最大のメリットは、機能ごとに進める短期間の工程において細かな点を都度、修正しながら進められることです。ユーザーのニーズや気づきも「素早く柔軟に」取り入れられるからこそ、変化に対応しやすい開発方式といえます。
そして、短いスパンでテストと実装を重ね、ときにはプロトタイプ(試作)や操作性を確認しながら進められるることが特徴の一つです。ユーザー行動などからの気付きを共有しながら開発を進めることができるため、顧客体験を高めることに比重を置いたアプリ開発が可能になります。
「アジャイル開発」で継続成長するアプリに
アジャイル開発は様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。それは、変化や要望を過度に取り入れすぎると、スケジュールの調整が難しくなる局面がでてくることです。そのため、アジャイルを実践するためには、変化や要望に対して開発スケジュールを把握しながら コントロールできる経験やノウハウ、充実したチーム体制が必要不可欠といえるでしょう。
また、今の時代は開発ノウハウのみならず、顧客のサービス設計を意識した「体験価値の向上」に加え、事業戦略との整合性を意識した「継続的改善」も求められます。つまり、アプリの成長を事業の成長につなげるためにも、「マーケティング 」「システム設計」 という 2つの視点からアプリ開発を進めることが欠かせません。アプリ開発につきましては、下記のホワイトペーパーでも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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